結論から言うと、動く工具で型番が現行世代なら「買取」、店頭で新品を同時に買うなら「下取り」、通電しない・電池が膨らんでいるものは「処分」です。3つは優劣ではなく、工具の状態と手持ちの時間で選ぶものです。ここでは手取り額の期待値、現金化までの日数、手続きの工程数という3つのものさしで並べ、どれを選べば損をしにくいかを整理します。
- ✓ 稼働品で人気型番なら買取が最も手取りが大きい。相場は型番別の記事で確認できる
- ✓ 下取りはメーカーの常設制度ではなく、販売店・代理店が不定期に行うキャンペーン。実施の有無は購入予定の店に直接確認する
- ✓ 通電しない本体は自治体のルールで処分。工具用のリチウムイオン電池は本体と分けて出す
- ✓ 膨らんだ電池・破損した電池はJBRCの回収対象外。協力店の回収ボックスには入れられない
- ✓ 事業として使った工具は家庭ごみに出せず、産業廃棄物としての処理が必要になる
本記事の内容は2026年9月26日時点の公表情報にもとづきます。自治体の分別区分と販売店のキャンペーンは変わりやすいため、実行前に最新の案内を確認してください。
下取り・買取・処分の3択 早見表
| 項目 | 下取り | 買取 | 処分 |
|---|---|---|---|
| 手取りの形 | 新品購入代金からの値引き | 現金・振込 | なし(費用がかかる場合あり) |
| 動かない工具 | キャンペーンによっては可 | ジャンク扱いで大幅減額または不可 | 可 |
| 手続きの工程数 | 3工程 | 店頭4工程/宅配6工程 | 5工程 |
| 新品購入との同時性 | 必須(購入が条件) | 不要 | 不要 |
| 電池パックの扱い | 本体に付けたまま出すことが多い | 単体でも値が付く | 本体と分け、電池の回収ルートへ |
| 向いている状態 | 買い替えが決まっている | 稼働品・現行世代・付属品あり | 通電しない・膨張・破損 |
下取り:新品を買う店が決まっているときだけ効く
下取りは、新品を買う条件とセットで古い工具を引き取ってもらい、その分を購入代金から引く方法です。マキタや京セラのようなメーカーが常設の下取り制度を公表しているわけではなく、実施しているのは販売店・代理店・ホームセンターで、時期も対象品も店ごとに違います。つまり「下取りがあるかどうか」は買う店に聞かないと分からないのが実情です。
工程は「購入する店と機種を決める」「下取り対象か確認する」「購入時に現物を持ち込む」の3つで、査定書類のやり取りがない分だけ手数は少なくて済みます。動かない工具でも受け付ける催しがある一方、値引き額は一律で決まっていることが多く、人気型番を出しても上乗せはあまり期待できません。稼働する現行型番を持っているなら、次の買取と金額を比べてから決めるほうが無難です。
買取:稼働品なら手取りがいちばん大きい
買取は業者に売って現金化する方法です。動作し、付属品と箱がそろい、現行世代の型番であるほど金額は伸びます。逆にバッテリーの劣化が進んでいたり、充電器が欠品していたりすると、同じ型番でも数千円単位で下がります。査定が落ちる条件はマキタの電動工具は売れるのか|査定が落ちる条件と、箱・付属品で変わる金額に実例をまとめました。
受け渡しは店頭・宅配・出張の3通りがあり、現金化までの日数と運ぶ手間が変わります。どれを選ぶかは工具買取は宅配・出張・店頭のどれにするかで比較しています。本体を手放さずバッテリーだけ整理したい場合は工具のバッテリーだけ売れるか、新品価格に対してどれくらい戻るかの全体像は電動工具の残価率を10型番で比較が目安になります。
処分:通電しない工具と傷んだ電池はここへ
通電しない、煙が出た、ケースが割れているといった工具は、買取でも下取りでも受け手がありません。家庭で使っていたものなら自治体のごみ区分に従って出します。区分は自治体ごとに違い、金属製で30cmを超えるかどうかといった大きさの線引きが設けられていることもあります。横浜市の場合、金属製で30cm、それ以外の素材で50cmを超えるものは収集ではなく区の事務所へ直接持ち込む扱いです(2026年9月26日時点/出典: 横浜市公式)。
注意したいのは電池パックです。工具用のリチウムイオン電池は本体から外し、電池の回収ルートへ回します。JBRCの協力店に置かれた回収ボックスが使えるほか、自治体によっては電池だけを別袋で集める仕組みが始まっています。横浜市は2025年12月1日から小形充電式電池の分別収集を開始し、燃やすごみの収集日に別の袋で出す方式を採っています(出典: 横浜市公式)。
なお、仕事で使っていた工具は家庭ごみに出せません。事業活動から出た廃棄物は産業廃棄物にあたるため、許可業者への委託が必要です。個人事業でも同じ扱いになります。
手続きの工程数で比べる
金額だけでは決めにくいので、実際に踏む手続きの数を数えました。下取りは「店と機種を決める・下取りの可否を確認する・持ち込む」の3工程。店頭買取は「相場を調べる・持ち込む・査定を待つ・受け取る」の4工程。自治体での処分は「区分を調べる・電池を外す・端子を絶縁する・電池を回収先へ出す・本体を指定の方法で出す」の5工程。宅配買取は「相場を調べる・申し込む・梱包する・発送する・査定結果を承諾する・入金を待つ」の6工程です。下の図は、この数え方をそのまま棒の長さにしたものです。
工具用のリチウムイオン電池は、本体を手放すときも処分するときも本体と切り離して考えます。JBRCが回収の対象としているのは会員企業製のニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池の3種類で、出すときは金属端子を絶縁テープでふさぐよう案内されています(透明なビニールテープが推奨。セロハンテープは不可)。
一方で解体した電池パック、破損した電池、膨張や水濡れのある電池は回収対象外です。協力店のボックスには入れられないので、自治体の窓口に相談してください(2026年9月26日時点/出典: JBRC公式)。
- 膨らんだ電池は押したり穴を開けたりしない。持ち運びは1個ずつ、端子を絶縁してから
- 仕事で使った工具は家庭ごみに出せない。産業廃棄物として許可業者へ委託する
- 下取りの実施は店ごとに違う。金額と条件を買取の査定額と比べてから決める
- 買取価格は市況で動く。ここで挙げた金額はいずれも目安で、査定額を保証するものではない
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よくある質問
下取りと買取はどちらが得ですか?
稼働する現行型番なら買取のほうが手取りは大きくなりやすく、動かない工具や型落ちなら下取りのほうが有利になることがあります。下取りは値引き額が一律で決まっている場合が多いためです。買う店が決まっているなら、下取り額を聞いてから買取の査定と比べてください。
工具のバッテリーだけ捨てたいときはどうしますか?
本体から外し、金属端子を透明なビニールテープで絶縁したうえで、JBRCの協力店に置かれた回収ボックスか、自治体の電池回収に出します。膨張・破損・水濡れのある電池は回収対象外なので、自治体の窓口に相談してください。
通電しない工具でも買取に出せますか?
ジャンク扱いで引き取る業者もありますが、金額はほとんど付かないか、送料で相殺されることもあります。人気型番でなければ、自治体のルールで処分するほうが早く片付きます。
仕事で使っていた工具を家庭ごみに出してもよいですか?
出せません。事業活動にともなって生じた廃棄物は産業廃棄物にあたり、許可を受けた処理業者への委託が必要です。個人事業でも同じです。
出典
一般社団法人JBRC「リサイクル対象・非対象」(2026年9月26日確認)/横浜市「小形充電式電池の分別収集」(2026年9月26日確認)/工具の選び方の全体像は電動工具の選び方 完全ガイドにまとめています。
