パナソニックの電動工具用バッテリーは、2026年8月18日時点で販売終了も仕様変更も公表されていません。移管が公表されたのは電動工具事業そのもので、電池パックの供給についての発表とは別の話です。この記事は、いま公式に掲載されている電池パック全品番を一覧にし、容量単価と充電器の互換から「移管を踏まえてどれを買うべきか」を整理します。
- ✓電池パックの供給停止・仕様変更は公表されていない。移管が公表されたのは電動工具事業そのもの
- ✓現行のリチウムイオン電池はEZ9L系を中心に15品番。10.8Vと7.2V以下はEZ8L系の新品番へ移行済み
- ✓充電器はEZ0L81が事実上の標準。旧EZ0L80では充電できない電池が大半
- ✓割安なのは4.2AhのLSタイプ(EZ9L45/EZ9L51)で約325円/Wh。軽量LF・LEは590〜641円/Whと割高
- ✓パナソニックとマキタの電池に互換はなく、共通化の発表もない
本記事のスペックと価格は2026年8月18日時点のパナソニック公式サイト掲載値です。希望小売価格は税抜表記で、実売価格とは異なります。
公式に確定していること・していないこと
移管そのものの事実関係はパナソニックの電動工具はどうなる?マキタへの事業移管を公式発表で整理にまとめています。確定しているのは、パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社の電動工具事業を、会社分割で新設する承継会社の全株式譲渡という方式でマキタへ移管すると2026年3月31日に公表されたこと、そして取引の実行が2026年度中を予定していること(関係当局の承認取得等が前提)です。「撤退」ではなく事業移管であり、いま持っている工具や電池が使えなくなるという発表はありません。
一方で確定していないのは、移管後に電池パックの品番体系がどうなるか、いつまで現行品番が生産・販売されるか、補修部品の供給がいつまで続くかです。これらは公式に示されていないため、本記事でも推測は書きません。判断材料になるのは、公式の電池パック一覧が生産終了品を赤色品番で明示しているという運用そのものです。ここに赤色で載った時点が、その品番の実質的な区切りになります。
現行の電池パック一覧(リチウムイオン)
公式の電池パック一覧に掲載されているリチウムイオン電池を、電圧の高い順・容量の大きい順に並べたものが次の表です。ニッケル水素(EZ9210S/EZ9200Sなど)とニカド(EZ9025など)は旧世代のため、ここでは除いています。
| 電圧 | タイプ(容量) | 品番 | 電力値 | 質量 | 適合充電器 | 希望小売価格(税抜) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 18V | LJ(5.0Ah) | EZ9L54 | 90Wh | 720g | EZ0L81 | 33,000円 |
| 18V | LS(4.2Ah) | EZ9L51 | 76Wh | 700g | EZ0L81 | 24,800円 |
| 18V | LR(3.3Ah) | EZ9L50 | 60Wh | 690g | EZ0L81 | 22,000円 |
| 18V | PN(3.0Ah) | EZ9L53 | 54Wh | 490g | EZ0L81 | 26,300円 |
| 14.4V | LJ(5.0Ah) | EZ9L48 | 72Wh | 610g | EZ0L81 | 29,100円 |
| 14.4V | LS(4.2Ah) | EZ9L45 | 61Wh | 570g | EZ0L81 | 19,800円 |
| 14.4V | LR(3.3Ah) | EZ9L44 | 48Wh | 570g | EZ0L81 | 17,600円 |
| 14.4V | LZ(3.1Ah) | EZ9L41 | 45Wh | 550g | EZ0L81/EZ0L80 | 17,600円 |
| 14.4V | LP(3.0Ah) | EZ9L46 | 44Wh | 570g | EZ0L81 | 16,000円 |
| 14.4V | LF(2.0Ah) | EZ9L47 | 29Wh | 360g | EZ0L81 | 18,600円 |
| 14.4V | LE(1.5Ah) | EZ9L42 | 22Wh | 360g | EZ0L81 | 13,000円 |
| 21.6V | LS(4.2Ah) | EZ9L62 | 91Wh | 870g | EZ0L81 | 31,000円 |
| 21.6V | LH(4.0Ah) | EZ9L64 | 86Wh | 870g | EZ0L81 | 39,300円 |
| 28.8V | PC(3.4Ah) | EZ9L84 | 98Wh | 1,000g | EZ0L81 | 43,400円 |
| 10.8V | LF(2.0Ah) | EZ8L1020FA | 22Wh | 290g | EZ7L10A | 13,300円 |
7.2Vと3.6VはEZ8L系へ更新されており、EZ8L0719FA/FB(1.9Ah・14Wh・11,300円)とEZ8L0319FA(1.9Ah・7Wh・6,000円)が2025年5月発売の現行品です。10.8VもEZ8L1020FAへ移っています。新品番が2025年に投入されているという事実は、移管が公表される直前まで通常どおり製品更新が続いていたことを示しています。
容量あたりの価格で見るとどれが得か
横軸は希望小売価格(税抜)を公式の電力値(Wh)で割った容量単価です。4.2AhのLSタイプが頭ひとつ抜けて割安で、14.4VのEZ9L45が約325円/Wh、18VのEZ9L51が約326円/Whでした。最大容量の5.0Ah(EZ9L54・EZ9L48)は絶対の作業量では有利ですが、単価では中位に落ちます。
逆に割高なのは軽量タイプです。EZ9L47(2.0Ah・360g)は約641円/Wh、EZ9L42(1.5Ah・360g)は約591円/Whで、LSタイプのほぼ2倍。上向き作業の多い現場で軽さに払う対価と割り切るなら妥当ですが、予備電池を数を揃える目的で買うなら選択肢から外れます。薄型のEZ9L53(18V PN・490g)も約487円/Whで、軽さのぶん単価は上がります。
充電器の互換 ― EZ0L81とEZ0L80の差
実務上の要点は「EZ0L80しか持っていないなら、現行電池はほぼ充電できない」という一点です。公式は多くの品番に「EZ0L80では充電できません」と明記しています。EZ0L80だけを持っている人向けには、5.0Ah電池と充電器のセット品が用意されており、個別に買うより18Vで11,000円、14.4Vで9,900円安いと公式が案内しています。
移管を踏まえた買い方の判断
- 公式の電池パック一覧は生産終了品を赤色品番で併記している。購入前に一覧で当該品番の表記を必ず確認する
- 3.0Ah LNタイプEZ9L40のうちオレンジ色の位置合わせマークの電池は、Dualシリーズ・3電圧対応商品には使用できない
- リチウムイオン工具用ケースにはEZ9L44(LRタイプ)が収納できないものがある
- 12V用のEZ9L31は「当社12V工具に使用可能(パワーは12V相当)」だが、EZ3790・EZ3791・EZ3792・EZ3794には使用できない
- 移管の実行時期は2026年度中の予定で、関係当局の承認取得等が前提。電池の販売終了時期は現時点で公表されていない
現実的な結論は3つに分かれます。すでにパナソニックの本体を複数持っているなら、電池はいま買い足しておくのが合理的です。容量単価の安いLSタイプ(EZ9L45/EZ9L51)を選び、充電器がEZ0L80のままならセット品でEZ0L81へ更新しておくと後が楽になります。別ブランドへ移る前提で考える場合は、パナソニックからの乗り換え先はマキタかHiKOKIか|電池プラットフォームで比較で電池1個あたりの単価と使える電圧を並べています。
本体を1台だけ持っていて買い増しを考えているなら、移管の続報を待つ判断もあります(分岐の詳細は今買っても大丈夫?マキタ移管後の判断基準)。ただし電池が使えなくなる発表はないため、いま必要な作業があるなら待つ理由は薄いです。これから電動工具の資産をゼロから作るなら、移管の行方を織り込んだうえでマキタかHiKOKIを起点にするほうが、10年単位では読みやすくなります。同等機の対応づけはパナソニック→マキタ 乗り換え型番対応表、修理・保証の現状は修理・保証は移管後どうなる?、工具の選び方全体は電動工具の選び方ガイドを参照してください。
購入先
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Amazonで EZ9L54 を探すAmazonで EZ9L48 を探すAmazonで EZ9L45 を探すAmazonで EZ0L81 を探すよくある質問
パナソニックの電池パックは移管後に買えなくなりますか?
2026年8月18日時点で、電池パックの販売終了や供給停止は公表されていません。公表されているのは電動工具事業をマキタへ移管すること(2026年3月31日発表、実行は2026年度中の予定)までです。個別品番の生産終了は公式の電池パック一覧で赤色品番として随時示されるため、購入前に一覧を確認するのが確実です。
パナソニックの電池はマキタの工具に使えますか?
使えません。パナソニックの14.4V/18Vデュアルと、マキタの18V/40Vmaxは互いに非互換です。移管後に共通化するという発表もありません。パナソニック製の電池を多数持っている場合、本体を買い足すならパナソニックのまま揃えるほうが資産を活かせます。
充電器はどれを買えばよいですか?
現行のスライド式リチウムイオン電池を使うならEZ0L81です。公式は多くの品番に「充電器はスライド式リチウムイオン電池専用急速充電器EZ0L81をお使いください。EZ0L80では充電できません」と明記しています。EZ0L80でも充電できるのはEZ9L41(14.4V LZ)とEZ9L61(21.6V LZ)などに限られます。
容量あたりで一番割安な電池はどれですか?
希望小売価格(税抜)を公式の電力値で割ると、4.2AhのLSタイプであるEZ9L45(14.4V・約325円/Wh)とEZ9L51(18V・約326円/Wh)が最も割安です。軽量のEZ9L47(2.0Ah・約641円/Wh)やEZ9L42(1.5Ah・約591円/Wh)は、軽さと引き換えに容量単価が2倍近くになります。
出典
- パナソニック「電動工具:電池パック一覧」(電圧・容量・電力値・質量・適合充電器・希望小売価格。2026年8月18日確認)
- パナソニック「リチウムイオン電池パック LJタイプ(18V 5Ah)EZ9L54 仕様」(適合充電器EZ0L81、実用充電約40分/フル充電約60分。2026年8月18日確認)
- パナソニック ホールディングス/マキタ 2026年3月31日 事業移管に関する公表
