パナソニックの電動工具事業は、マキタへ移管されることが2026年3月31日に正式発表されています。株式譲渡契約は2026年3月24日に締結済みで、実行は「2026年度中」の予定です。ただし本記事の基準日である2026年7月31日時点では手続きは完了しておらず、パナソニックブランドの電動工具は通常どおり販売・サポートが続いています。
- ✓ 2026年3月24日に株式譲渡契約を締結、3月31日に両社が同日公表
- ✓ スキームは「会社分割で承継会社を新設 → その全株式をマキタが取得」
- ✓ 実行は2026年度中の予定(関係当局の承認取得等が前提)
- ✓ 保証・修理・電池供給が移管後どうなるかは両社とも未発表(2026年7月31日時点)
※本ページの内容は 2026年7月31日時点の、パナソニック/マキタ両社の公式発表にもとづいて整理しています。
何が決まったのか(2026年3月31日発表の要点)
| 項目 | 公式発表の内容 |
|---|---|
| 公表日 | 2026年3月31日(パナソニック・マキタ 同日発表) |
| 契約締結日 | 2026年3月24日(株式譲渡契約) |
| 譲渡元 | パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社(PEW)およびグループ会社 |
| 取得者 | 株式会社マキタおよびグループ会社 |
| 対象事業 | パワーツール製品(工場および建築向け締付機器、工場関連IoTソリューション等)の開発・製造・販売 |
| 対象地域 | 日本および海外 |
| スキーム | PEWが吸収分割により承継会社を新設 → その発行済株式の全てをマキタが取得。海外拠点は事業譲渡等の方法で取得 |
| 実行時期 | 2026年度中(予定) |
| 前提条件 | 関係当局の承認取得等 |
ポイントは「事業ごと引き継ぐ」形だという点です。PEWのリリースには「事業運営に必要な資産・契約・従業員などは、承継会社へ移管します」と明記されており、単なる生産終了・撤退とは性質が異なります。
なぜ移管するのか — 両社の説明
パナソニック側:投資の優先順位を電気設備・デジタルに寄せる
PEWは、電動工具事業のさらなる成長には「継続的な投資とグローバルな顧客プラットフォームの強化が不可欠」としたうえで、自社は電気設備とデジタル技術を核としたソリューション事業に注力しているため、必要な規模・スピードでの投資を続けることが難しいと説明しています。そのうえで、グローバルの顧客基盤・販売サービス網・商材を持つマキタと技術を融合することが「最善の道」と判断した、としています。
マキタ側:工場向け市場への本格参入
マキタは対象事業について、工場向け締付機器分野におけるトルク制御技術とIoTを活用したデータ管理ソリューションに強みがあると評価しています。自社のバッテリー・モーター技術と組み合わせ、工場向け市場への本格参入と高付加価値ソリューションの創出を狙うという説明です。マキタの主戦場は建築・建設市場なので、重複の少ない領域を買い足す構図といえます。
パナソニック電動工具 45年の歩み
1979年の設立以来45年以上にわたり事業を続けてきたこと、日本初の充電式電動工具から始まり、ブラシレスモータやトルク制御・トルク計測といった独自技術を積み上げてきたことは、PEWのリリースに明記されています。近年は電気工事市場に加え、組立製造工場ライン市場への本格参入を進めていました。
いまパナソニックの工具を使っている人はどうなる?
結論から言うと、2026年7月31日時点で「変わったこと」はありません。パナソニックの電動工具サイトは通常どおり稼働しており、製品情報・お客様サポート・全国のサービス網案内・生産終了品一覧・互換性検索も従来どおり提供されています(2026年7月31日確認)。
一方で、移管後のことは両社とも公表していません。ネット上には「サポートが打ち切られる」「ブランドが消える」といった見立ても見かけますが、それらは公式発表に基づく情報ではありません。当サイトでは推測を断定として書かない方針のため、現時点で確認できる事実のみを以下に整理します。
- 移管後の保証・修理受付の窓口がどこになるか
- 電池パック・充電器(EZ9L54/EZ9L53/EZ0L81 など)の供給がいつまで続くか
- 「パナソニック」ブランドで販売が継続されるかどうか
- 既存製品の補修部品の供給期間
- ただし、資産・契約・従業員が承継会社へ移管されることはPEWリリースに明記されており、機能ごと引き継がれる可能性はあります(確定情報ではありません)
これからパナソニックの工具を買っていい? 3つの判断軸
① いま現場で必要なら、買って問題ない
2026年7月31日時点で新品は通常流通しており、メーカー保証も通常どおりです。実行は2026年度中の予定で、しかも「事業ごと引き継ぐ」スキームのため、製品ラインが即日消えるわけではありません。目の前の作業に必要なら、待つ理由は薄いといえます。
② これから「電池資産」を積み上げるかは慎重に
パナソニックのバッテリーは独自規格で、マキタ・HiKOKI・ボッシュなど他社製とは互換性がありません。今後10年単位で同じ電池プラットフォームに本体を買い足していく前提なら、電池・充電器の供給方針が公表されるまで様子を見る、という判断も合理的です。逆に「1〜2台で完結」なら影響は小さくなります。
③ 他社で置き換えにくい強みがあるかで決める
たとえばフラッグシップの EZ1PD1 はヘッド長98mm(業界最短クラス)で、間柱のあいだや配管まわりといった狭所の取り回しに強みがあります。この種の「代替が効きにくい形」が必要な作業を持っているなら、供給が読めるうちに確保しておく価値はあります。
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マキタ・HiKOKIと比較して選びたいなら
パナソニックを軸にするか、マキタ/HiKOKIへ寄せるかで迷っている場合は、同クラスの実機スペックを並べて見るのが早道です。当サイトの以下のページで、3社のフラッグシップを同じ項目で比較しています。
- TD002G vs WH36DC vs EZ1PD1|マキタ・HiKOKI・パナソニック フラッグシップインパクトドライバー3社比較
- パナソニック EZ1PD1 のスペック・特徴(工具図鑑)
- インパクトドライバー おすすめ 用途×電圧 早見表
- 電動工具の選び方 完全ガイド
よくある質問
Q. 移管はもう完了していますか?
A. いいえ。2026年7月31日時点では完了していません。株式譲渡契約の締結は2026年3月24日に済んでいますが、承継会社の新設・事業の承継・株式譲渡の手続き完了は「2026年度中」の予定で、関係当局の承認取得等が前提とされています。
Q. パナソニックの電動工具は買えなくなりますか?
A. 販売終了に関する公式発表はありません。2026年7月31日時点で製品ラインは通常どおり案内されています。
Q. 移管後、マキタのバッテリーがパナソニックの工具で使えるようになりますか?
A. そうした発表はありません。現行製品のバッテリー互換性は独自規格のままで、変更を示す公式情報は出ていません。
Q. 対象は工場向けの製品だけですか?
A. マキタのリリースは対象事業を「パワーツール製品(工場および建築向け締付機器、工場関連IoTソリューション等)の開発・製造・販売」と記載しています。パナソニック側はリリースのタイトルを「電動工具事業の事業移管について」としており、電動工具事業として移管する旨を発表しています。
まとめ
決まっているのは「マキタが承継会社の全株式を取得し、2026年度中に新体制で事業を始める」ところまで。ユーザー側の実務に直結する保証・修理・電池供給の扱いは、まだどちらの会社からもアナウンスされていません。いま必要な工具は普通に買ってよく、電池プラットフォームへの長期投資だけは続報を待つ——というのが、2026年7月31日時点で取れる現実的な立ち位置です。続報が出しだい本ページを更新します。
出典
- パナソニック株式会社「電動工具事業の事業移管について」(2026年3月31日)news.panasonic.com
- 株式会社マキタ「パナソニックグループのパワーツール事業の取得に関するお知らせ」(2026年3月31日)makita.co.jp
- パナソニック 電動工具 お客様サポート(2026年7月31日確認)www2.panasonic.biz
