狭所と隅の仕上げならEZ1PD1、締付トルクと1充電あたりの作業量ならEZ76A1です。同じパナソニックの14.4V/18Vデュアル機でも、EZ1PD1はヘッド長を29mm詰めた代わりに最大締付トルクが15N・m低く、ネジ締め本数は約26%少なくなります。
結論だけ先に
- ✓ EZ1PD1(2021年8月)=全長98mm・1.5kg・155N・m。天井裏や根太まわりの狭所優先
- ✓ EZ76A1(2019年8月)=全長127mm・1.7kg・170N・m。ボルト締めや長ビスの作業量優先
- ✓ 1充電のネジ締め本数(18V 5.0Ah・万能ビスφ4.2×75mm)は 550本 対 740本
- ✓ 打撃数はEZ1PD1が上(4,100回/分 対 3,100回/分)。振動値はEZ76A1が低い
- ✓ 電池・充電器は完全共通。買い替えでも手持ちのEZ9L54/EZ0L81がそのまま使えます
本記事の数値はすべて2026年9月20日時点のパナソニック公式「仕様・能力」「セット内容・価格」ページの値です。
スペック比較表
| 項目 | EZ1PD1 | EZ76A1 |
|---|---|---|
| 発売時期 | 2021年8月 | 2019年8月 |
| 電圧 | 14.4V/18V デュアル | 14.4V/18V デュアル |
| 最大締付トルク(18V・強) | 155N・m | 170N・m |
| 最大締付トルク(14.4V・強) | 140N・m | 160N・m |
| 回転数(強モード) | 0〜2,700回転/分 | 0〜2,800回転/分 |
| 打撃数(強モード) | 0〜4,100回/分 | 0〜3,100回/分 |
| 全長(ヘッド長) | 98mm | 127mm |
| 質量(18V 5.0Ah装着時) | 1.5kg | 1.7kg |
| 振動3軸合成値 | 13.7m/s² | 12.0m/s² |
| チャック | 新ワンタッチビットロック方式 | ワンタッチビットロック方式 |
| 即フルモード | なし | あり |
| 専用アタッチメント対応 | あり(スミ打ち/アングル他) | セット設定なし |
| 本体のみ 希望小売価格(税抜) | 38,700円 | 37,300円 |
出典: パナソニック公式「EZ1PD1/EZ76A1 仕様・能力/セット内容・価格」(2026年9月20日確認)
違い1: ヘッド長29mmの差が効く場面
EZ1PD1の全長98mmは、EZ76A1の127mmより29mm短い構成です。パナソニックは発売時にこれを「業界最短ヘッド」(14.4V/18Vクラス・2021年6月1日時点・同社調べ)としていました。29mmは実感として、根太間・天井裏・分電盤の内側といった「本体が壁に当たって斜めにしか入らない」場面での可否が変わる差です。
全長と質量の比較(短い・軽いほど狭所で有利)
違い2: 1充電あたりの作業量はEZ76A1が明確に上
公式の目安値(18V 5.0Ah・フル充電)で比べると差がはっきり出ます。万能ビス・米松(φ4.2×75mm)でEZ1PD1が約550本、EZ76A1が約740本。テクスネジ・SPC(φ4×13mm・板厚1.6mm)ではEZ1PD1が約1,100本、EZ76A1が約1,250本です。
さらにEZ76A1は公式にボルト締めの目安が掲載されており、普通ボルト(M16×25mm・板厚10mm)で約1,150本、高力ボルト(M12×25mm)で約400本。EZ1PD1の仕様ページにはボルト締めの項目自体がなく、ボルト作業を含むならEZ76A1が想定機種と読めます。
1充電あたりのネジ締め本数(18V 5.0Ah・公式目安)
違い3: モード構成とチャック
EZ76A1には即フルモードがあり、トリガーを引いた瞬間から最大回転(2,800回転/分)・最大打撃(3,100回/分)で立ち上がります。連続で同じビスを打ち続ける作業向けの機能です。EZ1PD1にはこのモードがない代わりに、打撃数が強モードで4,100回/分と高く、弱モードの締付トルクが40N・m(EZ76A1は26N・m)と上に振られています。
チャックはどちらも段付きまでの寸法が13mmで同じですが、EZ1PD1は「新ワンタッチビットロック方式」と表記が変わっています。ビットの互換性は同じ13mm段付きの標準品です。
バッテリー・充電器は完全共通
- 18V 5.0Ah(LJタイプ)=EZ9L54/18V 3.0Ah(PNタイプ)=EZ9L53/14.4V 5.0Ah(LJタイプ)=EZ9L48
- 急速充電器は両機種ともEZ0L81(リチウムイオン専用)
- 両機種とも14.4V/18Vのデュアル対応。装着した電池の電圧を本体側が判別します
- 買い増し・買い替えのどちらでも、本体のみ(EZ1PD1X/EZ76A1X)を選べば電池と充電器の重複購入を避けられます
⚠ 選ぶ前に知っておきたいこと
- EZ1PD1は新しいほうだが締付トルクは低い構成です。新型=上位機ではありません
- 振動3軸合成値はEZ1PD1が13.7m/s²、EZ76A1が12.0m/s²。長時間連続で握るならEZ76A1のほうが有利です
- 専用アタッチメント(EZ9HX500/EZ9HX501など)はEZ1PD1側にセット品(J18A1)の設定があります
- どちらも生産終了ではありませんが、本体のみの形名は末尾X、セット品はEZ1PD1がJ18D形式、EZ76A1がLJ2G形式と書式が違います。注文時は末尾まで確認してください
どちらを買うか
EZ1PD1を選ぶ人:内装・電気工事など、狭所と隅の作業が多い。1日のネジ本数はそれほど多くない。手数より取り回しを優先したい。
EZ76A1を選ぶ人:木造の造作や外構など、長ビス・ボルトの本数が多い。トルクと1充電あたりの本数で選びたい。即フルモードで同じ作業を繰り返す。
本体のみの希望小売価格は1,400円しか違わないので(38,700円 対 37,300円・税抜)、価格は判断材料になりません。ヘッド長29mmと作業量190本、どちらが自分の現場に効くかで決めるのが実際的です。
購入先
よくある質問
EZ1PD1とEZ76A1はどちらが新しいですか?
EZ1PD1が2021年8月発売、EZ76A1が2019年8月発売でEZ1PD1のほうが新しい機種です。ただし最大締付トルクは18V強モードでEZ1PD1が155N・m、EZ76A1が170N・mと、新しいEZ1PD1のほうが低くなっています。
バッテリーは共通で使えますか?
共通です。どちらも14.4V/18Vデュアル対応で、18V 5.0AhのEZ9L54、18V 3.0AhのEZ9L53、14.4V 5.0AhのEZ9L48が使えます。急速充電器も両機種ともEZ0L81です。
ヘッド長98mmと127mmはどのくらい違いますか?
差は29mmで、約3cmです。根太間や天井裏、分電盤の内側のように本体を真っ直ぐ入れられるかどうかが変わる場面で効きます。逆に広い場所での作業なら体感差はほとんどありません。
「即フルモード」はどちらに付いていますか?
EZ76A1のみに搭載されています。トリガーを引いた瞬間から最大回転2,800回転/分・最大打撃3,100回/分で立ち上がるモードで、同じビスを連続で打つ作業向けです。EZ1PD1には設定がありません。
出典
- パナソニック公式「EZ1PD1 充電インパクトドライバー 14.4V/18V 仕様・能力」(2026年9月20日確認)
- パナソニック公式「EZ1PD1 セット内容・価格」(2026年9月20日確認)
- パナソニック公式「EZ76A1 充電インパクトドライバー 14.4V/18V 仕様・能力」(2026年9月20日確認)
- パナソニック公式「EZ76A1 セット内容・価格」(2026年9月20日確認)
