パナソニックの電動工具事業は1979年に始まり、2026年3月31日に公表されたマキタへの事業移管で大きな節目を迎えました。このページは、その47年間を「いつ・何が起きたか」の年表1本に集約した資料です。技術の節目(ブラシレス→トルク制御→トルク計測)と、移管手続きのスケジュール、そして移管公表後も新商品が出続けている事実まで、すべてパナソニック公式の発表だけで並べています。
この年表でわかること
- ✓パナソニックの電動工具事業は1979年開始。日本初の充電式電動工具がその第一号
- ✓技術の節目は2004年ブラシレス初搭載 → 2008年トルク制御 → 2021年トルク計測の3段
- ✓2021年6月25日にプロ向けブランド「EXENA」を立ち上げ、現行機はほぼこの系統
- ✓2026年3月31日にマキタへの事業移管を公表。完了は2026年度中の予定
- ✓公表後も2026年6月・8月に新商品が出ており、開発・供給は継続している
本ページの内容は2026年8月9日時点のパナソニック公式発表(プレスリリースおよび公式「電動工具」サイト)に基づきます。移管の背景と現在の状況はパナソニックの電動工具はどうなる?マキタへの事業移管を公式発表で整理にまとめています。
パナソニックはいつから電動工具を作っていたのか?
1979年です。パナソニック公式のプレスリリースは「当社は1979年の設立以来、45年以上にわたり本事業を展開してきました」と述べ、その出発点を「1979年の日本初となる充電式電動工具の発売」としています。公式サイトに残る40周年(2019年)の挨拶でも「1979年にニッケルカドミウム電池内蔵のドライバーを発売して以降」と具体的な製品が示されています。つまりこの事業は最初から「充電式」から始まったという点が、他社との出自の違いです。
| 時期 | できごと | 意味 |
|---|---|---|
| 1979年 | ニッケルカドミウム電池内蔵の充電ドライバーを発売。日本初の充電式電動工具(同社調べ) | 事業のはじまり |
| 2004年 | インパクトドライバにブラシレスモータを初搭載(同社調べ) | 駆動方式の転換 |
| 2008年 | トルク制御機能付きインパクトドライバを発売 | 締め過ぎ防止の始点 |
| 2017年10月 | 14.4V/18V両用「デュアル」を拡充(充電圧着器 EZ46A4/充電ケーブルカッター EZ45A6) | 電池の世代跨ぎ |
| 2018年8月 | 28.8V 充電ハンマードリル EZ7881 を発売 | 高電圧クラス投入 |
| 2019年 | 電動工具事業40周年。新開発「Smart BL」搭載の充電インパクトドライバ EZ76A1 を発売 | 制御の作り込み |
| 2020年5月 | 産業向け「電動工具Sシリーズ」を公開(工場ライン市場へ) | 市場の二極化 |
| 2021年6月25日 | プロ向け新ブランド「EXENA(エグゼナ)」を情報公開。Pシリーズ EZ1PD1/EZ1DD1、Lシリーズを同時発表 | ブランド刷新 |
| 2021年 | トルク計測インパクトレンチを発売 | 計測する工具へ |
| 2021年12月 | Pシリーズ 充電ハンマードリル EZ1HD1 発売 | EXENA展開 |
| 2024年12月 | 充電ドリルドライバー EZ1DD3 発売 | EXENA展開 |
| 2025年3月 | 充電ドリルドライバー EZ1DD4 発売 | EXENA展開 |
| 2026年3月24日 | 電動工具事業の株式譲渡契約をマキタと締結 | 移管の起点 |
| 2026年3月31日 | 事業移管を公表。会社分割で承継会社へ移管し、その全株式をマキタへ譲渡するスキーム | 公表日 |
| 2026年6月 | JIS規格に適合した充電ミニ圧着器 EZ1W33 発売 | 公表後も新商品 |
| 2026年8月 | ケーブルストリッパーアタッチメント250 EZ9HX509 発売予定 | 公表後も新商品 |
| 2026年度中 | 承継会社の新設・事業承継・株式譲渡の手続きを完了し、新体制で事業開始予定 | 完了予定 |
出典:パナソニック公式プレスリリース(2026年3月31日)およびパナソニック公式「電動工具」サイトの新着情報・40周年挨拶。2026年8月9日確認。
ブラシレスとトルク制御はいつ搭載されたのか?
公式が節目として挙げているのは3つです。2004年にインパクトドライバへブラシレスモータを初搭載(同社調べ)、2008年にトルク制御機能付きインパクトドライバ、2021年にトルク計測インパクトレンチ。この並びは「モータを効率化する」→「締め付けを制御する」→「締め付けを数値で測る」という進み方をしています。2020年5月に産業向けの電動工具Sシリーズが公開され、2026年の公表文でも「組立製造工場ライン市場への本格参入」が触れられているとおり、トルク計測は工場ラインでの品質保証と地続きの技術です。
図2|47年間の技術的な節目。制御が「効かせる」から「測る」へ進んだ流れが読み取れる。
EXENA(エグゼナ)はいつ生まれたブランドなのか?
2021年6月25日です。この日にパナソニック公式サイトで新ブランド「EXENA(エグゼナ)」の情報が公開され、同時にPシリーズの充電インパクトドライバ EZ1PD1、充電ドリルドライバー EZ1DD1、Lシリーズの5機種(EZ1P31/EZ1D31/EZ1D32/EZ1W31/EZ1L31)が発表されました。いま店頭にあるパナソニックのプロ向け電動工具は、ほぼこの2021年以降の系統です。中古や旧型番を検討している場合、2021年6月がひとつの世代の境目になります。
図3|バッテリー体系の要点(購入前に確認したい点)
| 14.4V/18V「デュアル」 | 1台の工具で14.4Vと18Vの電池パックを共用できる方式。2017年10月発売の充電圧着器 EZ46A4・充電ケーブルカッター EZ45A6 などで展開 |
| 28.8V | 充電ハンマードリル EZ7881(2018年8月発売)などの高負荷機で採用 |
| マキタ製との互換 | パナソニックの電池パックとマキタの電池パックは別系統で互換性はない。移管後も既存のパナソニック機はパナソニック電池で使う |
移管が決まったあとも新商品は出ているのか?
出ています。事業移管が公表されたのは2026年3月31日ですが、その後もパナソニック公式サイトの新着情報には2026年6月発売の充電ミニ圧着器 EZ1W33(JIS規格適合)と、2026年8月発売予定のケーブルストリッパーアタッチメント250 EZ9HX509が掲載されています。移管の公表と製品供給の停止は別の話であり、少なくとも2026年8月時点で開発・発売は続いています。いま買ってよいかの判断軸はパナソニックの電動工具は今買っても大丈夫?に、修理と保証の現状はパナソニック電動工具の修理・保証は移管後どうなる?に分けて整理しています。
⚠ 年表を読むときの注意
2026年3月31日の公表時点で示されているのは「2026年度中に手続きを完了する」というスケジュールだけです。移管後のブランド名、品番体系、修理受付の窓口、EXENAシリーズの継続可否について、公式は具体的な方針を示していません。本ページは公式が明示した事実のみを年表化しており、未公表の項目は未公表のままとしています。
年表から読み取れる、いま買う人への意味
年表を通して見ると、判断材料は3つに絞れます。第一に、技術資産は「制御と計測」に寄っていること。トルク制御・トルク計測という強みは移管先のマキタにとっても取り込む価値があり、丸ごと消える性質のものではありません。第二に、現行機はほぼ2021年以降のEXENA世代であること。世代が新しいぶん、部品供給の期間は旧型番より長く見込めます。第三に、スケジュールは「2026年度中」しか公表されていないこと。それ以外の条件は確定していません。マキタ機への置き換えを具体的に検討するならパナソニック→マキタ 乗り換え型番対応表を、工具の種類ごとの選び方は電動工具の選び方ガイドを起点にしてください。
現行世代の価格を確認する
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年表の中心にある現行世代(EXENA Pシリーズ)の実勢価格は、下記から確認できます。
パナソニック EZ1PD1充電インパクトドライバ(2021年8月発売)
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パナソニック EZ1DD4充電ドリルドライバー(2025年3月発売)
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よくある質問
パナソニックの電動工具は何年から作られていたのですか?
1979年からです。パナソニック公式は「1979年の設立以来、45年以上にわたり本事業を展開してきました」と明記しており、第一号はニッケルカドミウム電池を内蔵した充電ドライバーでした。同社は日本初の充電式電動工具としています(2026年3月現在・同社調べ)。
EXENA(エグゼナ)はいつからのブランドですか?
2021年6月25日にパナソニック公式サイトで情報公開されたプロ向けブランドです。同日にPシリーズの充電インパクトドライバ EZ1PD1、充電ドリルドライバー EZ1DD1、およびLシリーズ5機種が発表され、EZ1PD1は2021年8月に発売されました。
マキタへの移管が決まった後も、新商品は出ていますか?
出ています。2026年3月31日の公表後も、パナソニック公式サイトの新着情報には2026年6月発売の充電ミニ圧着器 EZ1W33、2026年8月発売予定のケーブルストリッパーアタッチメント250 EZ9HX509 が掲載されています(2026年8月9日確認)。
出典
- パナソニック ホールディングス「電動工具事業の事業移管について」(2026年3月31日発表)news.panasonic.com/jp/press/jn260331-9
- パナソニック公式「電動工具」サイト 新着情報・40周年のご挨拶(2026年8月9日確認)www2.panasonic.biz/jp/densetsu/powertool/
