結論:整備・タイヤ交換・中型ボルトの締結が中心なら軽量2.7kgで差込角12.7mmのWR36DE、高力ボルトM24までの本格的な締結や大型ボルトのゆるめが必要なら差込角19mm・1,100N・mのWR36DAです。同じ36Vマルチボルトでも、この2機種は「差込角」が違うためソケット資産を共用できません。トルクよりも先に差込角で絞り込むのが正しい順序です。
- ✓ 差込角が違う(WR36DE=12.7mm/WR36DA=19mm)ためソケットは共用不可
- ✓ 最大締付トルクは 630N・m/1,100N・m、高力ボルト上限は M20/M24
- ✓ 質量は 2.7kg/3.8kg、全長は 169mm/221mm と取り回しの差が大きい
- ✓ WR36DEのみオートストップ(正転)/オートスロー(逆転)とアプリ設定に対応
本ページの数値は2026年7月29日時点のHiKOKI公式製品ページ公表値です。仕様は予告なく変更される場合があります。
スペック比較表(HiKOKI公式公表値)
| 項目 | WR36DE | WR36DA |
|---|---|---|
| 電圧 | 36V(マルチボルト) | 36V(マルチボルト) |
| 先端形状(差込角) | 四角ドライブ12.7mm | 四角ドライブ19mm |
| 最大締付トルク | 630N・m(6,424kgf・cm) | 1,100N・m(112.2kgf・m) |
| 最大ゆるめトルク | 900N・m | 公表なし |
| 締付能力(普通ボルト) | M10〜M24 | M12〜M30 |
| 締付能力(高力ボルト) | M10〜M20 | M10〜M24 |
| 無負荷回転数(最大) | 0〜2,400min-1 | 0〜1,500min-1 |
| 打撃数(最大) | 0〜3,400min-1 | 0〜2,900min-1 |
| 機体寸法(全長×全高×センタハイト) | 169×278×36mm | 221×292×42mm |
| 質量(蓄電池装着時) | 2.7kg | 3.8kg |
| 振動3軸合成値 | 13.5m/s2 | 15.4m/s2 |
| 電子制御 | オートストップ/オートスロー・アプリ設定 | 打撃力4段切替 |
| 防じん・耐水 | IP56 | IP56 |
| 希望小売価格(税別・本体のみNN) | 46,800円 | 56,000円 |
| 希望小売価格(税別・電池2個セット) | 109,200円(2XPSZ) | 115,500円(2XPZ) |
最初に決めるのは差込角。トルクはその次
この2機種を比べるとき、最も重い制約はトルクではなく差込角です。WR36DEは四角ドライブ12.7mm、WR36DAは19mm。ソケットは差込角ごとに別物なので、既にどちらかのソケットを揃えているなら、その差込角に合う機種を選ぶのが現実的です。12.7mmは自動車整備・ホイールナット・配管など市販ソケットの選択肢が最も広いサイズで、19mmは鉄骨や重機まわりの大径ボルト向けの領域になります。
トルクで見ると、WR36DEは最大締付630N・m・最大ゆるめ900N・m。乗用車のホイールナット(一般に100N・m前後)に対しては大きな余裕があり、むしろ締めすぎに注意が必要な水準です。WR36DAの1,100N・mは、M24までの高力ボルトを本締めする領域を想定した出力です。
取り回し:52mm短く、1.1kg軽いWR36DE
WR36DEは全長169mm・質量2.7kg。HiKOKIは「軽量2.7kg&コンパクト169mm(全長)で、狭い場所での取り回しやすさと630N・mの締付けトルクを両立」と説明しています。対するWR36DAは全長221mm・3.8kgで、AC100V機WR25SEと比べれば重量4.0kg軽・全長119mm短という位置づけです。絶対的な軽さではなく「その出力クラスの中で軽い」という文脈である点に注意してください。
振動3軸合成値もWR36DEが13.5m/s2、WR36DAが15.4m/s2とWR36DEが低く、長時間作業の負担は小さめです。
電子制御はWR36DEに軍配
意外に思われるかもしれませんが、自動停止まわりの機能は下位クラスのWR36DEのほうが充実しています。WR36DEはオートストップ(正転時に設定時間で自動停止し締め過ぎを防止)とオートスロー(逆転時に自動で減速・停止しナットの脱落を抑制)を備え、HiKOKI TOOLSアプリとBluetooth蓄電池を使えば回転数4段階とオートストップ時間(0.1〜10秒を0.1秒刻み)を調整できます。WR36DAは打撃力4段切替のみで、アプリ連携や自動停止は持ちません。
1充電あたりの作業量は、WR36DEが2.5Ahマルチボルトで M16×55(F10T)締付け1.5秒 約240本、WR36DAが BSL36A18X で M24×80(F10T)締付け3秒 約95本。ボルトサイズが違うので直接比較はできませんが、扱う締結の規模感の違いが読み取れます。
WR36DE・WR36DAはどちらもマルチボルト蓄電池に対応し、同じ蓄電池を共用できます。WR36DAは残量表示付のマルチボルト蓄電池が対象で、付属はBSL36A18X。WR36DEのアプリ設定機能を使う場合はBluetooth対応蓄電池(BSL36A18BXなど)が必要です。充電器はUC18YDL2(冷却機能付)が共通で使えます。
従来の蓄電池(BSL3620/3625/3626/3660およびBSL18XX・BSL14XXシリーズ)は使用できません。
- 差込角が12.7mmと19mmで異なり、ソケットは共用できません。手持ちのソケットの差込角を先に確認してください。
- ホイールナットなど規定トルクが決まっている締結は、インパクトレンチで本締めせず最終締付はトルクレンチで管理してください。
- ソケットは両機とも別売です。NNセットは蓄電池・充電器も付属しません。
- IP56は防じん・耐水の保護等級であり、故障しないことを保証するものではありません。蓄電池側は保証対象外です。
- 公表トルクは測定条件(ボルト径・強度区分・締付け時間)が機種ごとに異なるため、数値の単純比較には限界があります。
用途別のおすすめ
WR36DEが向くケース:自動車・トラックの整備、タイヤ交換、配管や設備の組立。12.7mmソケットの資産がある。狭所や頭上での作業が多く、軽さと自動停止機能を重視する場合。
WR36DAが向くケース:高力ボルトM20超〜M24の締結、鉄骨継手の組立、重機・農機具のメンテナンス、解体作業。19mmソケットを使う現場で、AC100V機からの置き換えを検討している場合。
購入先・価格の確認
実売価格はセット構成(NN/2XPSZ/2XPZ)で大きく変わります。型番だけでなくセット記号まで確認してから購入してください。
よくある質問
WR36DEとWR36DAはソケットを共用できる?
できません。WR36DEは四角ドライブ12.7mm、WR36DAは四角ドライブ19mmで差込角が異なります。手持ちのソケット資産がどちらの差込角かは、購入前に必ず確認してください。
タイヤ交換ならどちらを選ぶべき?
乗用車のホイールナットは一般に締付トルク100N・m前後のため、630N・mのWR36DEでも大幅に余裕があります。2.7kgと軽く全長169mmと短いWR36DEのほうが取り回しやすく、差込角12.7mmは市販のホイールナット用ソケットとも合わせやすい構成です。締めすぎを防ぐため、最終締付はトルクレンチで管理してください。
WR36DAでないと足りないのはどんな作業?
高力ボルトの対応上限がWR36DEはM20、WR36DAはM24です。M20を超える高力ボルトの締結、あるいはM30クラスの固着したボルトのゆるめ作業ではWR36DAが必要になります。
重さの差はどのくらい体感に効く?
蓄電池装着時でWR36DEが2.7kg、WR36DAが3.8kgと1.1kgの差があります。全長も169mmと221mmで52mm違うため、頭上作業や狭所での取り回しはWR36DEが明確に有利です。
バッテリーは共通で使える?
どちらもマルチボルト蓄電池に対応するため、同じマルチボルト蓄電池を共用できます。ただし従来のBSL3620/3625/3626/3660およびBSL18XX・BSL14XXシリーズは使用できません。
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出典
HiKOKI(工機ホールディングス)公式製品ページ / コードレスインパクトレンチ WR36DE・コードレスインパクトレンチ WR36DA(2026年7月29日確認)
