HiKOKIのコードレスインパクトレンチ5機種は、差込角12.7mmの「整備・仮締め系」(WR18DH/WR36DH/WR36DE)と、差込角19mmの「鉄骨・重機系」(WR36DA/WR36DF)の2グループに完全に分かれます。タイヤ交換や設備配管なら12.7mmの3機種から、鉄骨の本締めやM24以上の大型ボルトなら19mmの2機種から選ぶのが最短ルートです。
- ✓差込角12.7mm=WR18DH(310N・m)/WR36DH(350N・m)/WR36DE(630N・m)の3機種
- ✓差込角19mm=WR36DA(1,100N・m)/WR36DF(1,400N・m)の2機種。質量は3.8〜3.9kgに跳ね上がる
- ✓唯一の18V機がWR18DH。他4機種はマルチボルト蓄電池専用で18V単体では動かない
- ✓本体のみ(NN)の希望小売価格は37,000〜57,100円(税別)。5機種の価格差は約2万円に収まる
本ページの数値はすべて2026年7月29日時点のHiKOKI公式製品ページ公表値です。
HiKOKI コードレスインパクトレンチ 全5機種 スペック横断比較表
| 項目 | WR36DF | WR36DA | WR36DE | WR36DH | WR18DH |
|---|---|---|---|---|---|
| 電池電圧 | 36V(マルチボルト) | 36V(マルチボルト) | 36V(マルチボルト) | 36V(マルチボルト) | 18V |
| 最大締付けトルク | 1,400N・m | 1,100N・m | 630N・m | 350N・m | 310N・m |
| 最大ゆるめトルク | 2,100N・m | 公式非公表 | 900N・m | 650N・m | 550N・m |
| 先端形状(差込角) | 四角ドライブ19mm | 四角ドライブ19mm | 四角ドライブ12.7mm | 四角ドライブ12.7mm | 四角ドライブ12.7mm |
| 締付能力(高力ボルト) | M10〜M27 | M10〜M24 | M10〜M20 | M10〜M16 | M10〜M16 |
| 締付能力(普通ボルト) | M12〜M36 | M12〜M30 | M10〜M24 | M10〜M20 | M10〜M20 |
| 質量(蓄電池装着時) | 3.9kg | 3.8kg | 2.7kg | 2.0kg | 2.0kg |
| 全長 | 221mm | 221mm | 169mm | 144mm | 144mm |
| 無負荷回転数(最速段) | 0〜1,500min-1 | 0〜1,500min-1 | 0〜2,400min-1 | 0〜3,000min-1 | 0〜2,800min-1 |
| 打撃数(最速段) | 0〜2,600min-1 | 0〜2,900min-1 | 0〜3,400min-1 | 0〜4,100min-1 | 0〜4,000min-1 |
| モーター | ブラシレス | ブラシレス | ブラシレス | ブラシレス | ブラシレス |
| 防じん・耐水 | IP56 | IP56 | IP56 | IP56 | IP56 |
| 振動3軸合成値 | 17.7m/s2 | 15.4m/s2 | 13.5m/s2 | 14.9m/s2 | 14.4m/s2 |
| 使用可能蓄電池 | マルチボルトのみ | マルチボルトのみ | マルチボルトのみ | マルチボルトのみ | マルチボルト/BSL18XX |
| 本体のみ(NN)希望小売価格 | 57,100円 | 56,000円 | 46,800円 | 38,500円 | 37,000円 |
| フルセット希望小売価格 | 115,800円 | 115,500円 | 109,200円 | 95,300円 | 92,400円 |
価格は希望小売価格(消費税別)。2026年7月29日時点のHiKOKI公式製品ページ公表値。
まず差込角で2グループに割れる:12.7mm組と19mm組
HiKOKIのインパクトレンチ選びは、トルクより先に差込角(四角ドライブ)で決まります。差込角はソケットの取付角のことで、12.7mm(1/2インチ)と19mm(3/4インチ)ではソケットに互換がありません。手持ちのソケットが使えるかどうかが最初の分岐点です。
12.7mm組(WR18DH・WR36DH・WR36DE)は、乗用車のホイールナット、設備配管のフランジ、足場、木造の土台緊結など、締付けトルクが概ね600N・m以下で足りる作業帯です。市販の12.7sqソケットが豊富で、既存工具との使い回しも効きます。質量も2.0〜2.7kgに収まり、長時間の保持や上向き作業に耐えます。
19mm組(WR36DA・WR36DF)は、鉄骨造の高力ボルト本締め、重機・大型車両の整備、M24〜M36クラスの大径ボルトが対象です。締付能力(高力ボルト)はWR36DAでM24まで、WR36DFでM27まで伸びますが、代償として質量は3.8〜3.9kg、全長221mmと一回り大きくなります。
電圧で割れるのはWR18DHだけ:唯一の18V機という位置づけ
5機種のうち18V系はWR18DHのみで、残る4機種はマルチボルト蓄電池専用です。WR18DHはマルチボルト蓄電池(36V/18V自動切替)に加えて従来のBSL18XXシリーズも使えるため、すでにHiKOKIの18V資産を持っている人にとっては追加投資が最も小さい選択肢になります。
注意したいのは、WR18DHとWR36DHは質量2.0kg・全長144mmと寸法がほぼ同一で、最大締付けトルクも310N・mと350N・mでわずか40N・m差という点です。両者の実質的な差は電源系統(18V併用可か、マルチボルト専用か)と最大ゆるめトルク(550N・m対650N・m)に集約されます。本体のみの希望小売価格差も1,500円(税別)しかありません。
用途別の選び分け早見
| 用途 | 推奨機種 | 理由 |
|---|---|---|
| 乗用車のタイヤ交換 | WR18DH/WR36DH | ホイールナットの規定トルクは概ね100〜140N・m。310N・mで十分足り、2.0kgで扱いやすい |
| 設備配管・足場・木造土台 | WR36DE | 630N・mでM20高力ボルトまでカバーしつつ2.7kg・全長169mmに収まる |
| 鉄骨・重機整備(M24まで) | WR36DA | 1,100N・m・差込角19mm。19mm組では軽い方(3.8kg) |
| M27クラス・固着ボルトのゆるめ | WR36DF | 最大ゆるめ2,100N・mは5機種で唯一の水準。錆びた大径ボルトの解体向き |
| 18Vバッテリーを既に所有 | WR18DH | 5機種で唯一BSL18XXが使える。本体のみ37,000円(税別)で最安 |
バッテリー互換:4機種はマルチボルト専用
- WR36DF/WR36DA/WR36DE/WR36DH:マルチボルト蓄電池のみ(BSL36A18/BSL36B18/BSL36A18BX 等)。BSL18XXシリーズ単体では動作しません
- WR18DH:マルチボルト蓄電池(残量表示付)に加え、18V BSL18XXシリーズも使用可
- 5機種いずれも、旧世代のBSL3620/3625/3626/3660およびBSL14XXシリーズは使用不可
- 急速充電器は全機種UC18YDL2が標準構成(フルセット品)
購入前に押さえておく注意点
- ソケットは全機種別売り。差込角12.7mmと19mmでソケットに互換はありません
- 公表トルクは「最大」値。ホイールナットは規定トルクでの締付けが必要で、インパクトレンチでの本締めはトルクレンチとの併用が前提です
- IP56は本体に蓄電池を装着した状態での本体のみの等級。蓄電池の防じん・耐水は保証されません
- WR36DAの最大ゆるめトルクはHiKOKI公式製品ページに記載がありません(本記事では「公式非公表」と表記)
- 「NN」は本体のみで蓄電池・充電器・ケースが付属しません。初めてHiKOKIを導入する場合はフルセット品との総額比較が必要です
購入先・最新価格の確認
希望小売価格と実売価格は乖離があります。以下は各機種の楽天市場での取扱いです。参考価格は取得日時点のもので、変動します。
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5機種はいずれもAmazonでも流通しています。「NN(本体のみ)」と「2XPZ/2XPSZ(フルセット)」で価格が大きく変わるため、下のリンク先で構成を確認してください。
よくある質問
HiKOKIのインパクトレンチでタイヤ交換に一番向いているのはどれですか?
WR18DHです。最大締付けトルク310N・m・質量2.0kg・差込角12.7mmで、乗用車のホイールナット(規定トルクは概ね100〜140N・m)に対して余裕があり、5機種で最も軽く最も安価(本体のみ37,000円・税別)です。ただし本締めはトルクレンチとの併用が前提になります。
WR18DHとWR36DHはどちらを選ぶべきですか?
すでにHiKOKIの18V(BSL18XX)バッテリーを持っているならWR18DH、マルチボルトで統一するならWR36DHです。質量2.0kg・全長144mmは同一、最大締付けトルクは310N・mと350N・mで40N・m差、本体のみの希望小売価格差も1,500円(税別)しかないため、実質的な判断軸はバッテリー資産です。
差込角12.7mmと19mmはソケットを使い回せますか?
使い回せません。四角ドライブの寸法が異なるため、12.7mm(1/2インチ)用ソケットを19mm機に、またはその逆に直接装着することはできません。変換アダプタは存在しますが、高トルク域ではアダプタ側が破損するリスクがあるため、機種に合った差込角のソケットを用意してください。
最大ゆるめトルクが一番大きいのはどの機種ですか?
WR36DFで2,100N・mです。次いでWR36DEの900N・m、WR36DHの650N・m、WR18DHの550N・mと続きます。WR36DAについてはHiKOKI公式製品ページに最大ゆるめトルクの記載がありません。固着した大径ボルトのゆるめ作業を重視するならWR36DFが選択肢になります。
マルチボルト専用機に18Vバッテリーを付けて使えますか?
使えません。WR36DF/WR36DA/WR36DE/WR36DHの4機種はマルチボルト蓄電池専用で、BSL18XXシリーズ単体では動作しません。18Vバッテリーも使いたい場合は、5機種で唯一18V併用に対応するWR18DHを選ぶ必要があります。
関連ページ
- HiKOKI WR36DF|1,400N・m・最大ゆるめ2,100N・mのスペック・特徴
- HiKOKI WR36DA|1,100N・m・四角ドライブ19mmのスペック・特徴
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- HiKOKI WR36DE vs WR36DA|差込角12.7mmと19mmの選び分け
- HiKOKI WR36DA vs WR36DF|1,100N・mと1,400N・mの比較データ
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- 充電式インパクトレンチ おすすめ・トルク早見表
- マキタ TW300D|18V充電式インパクトレンチのスペック・特徴
- 電動工具の選び方 完全ガイド(ピラーページ)
出典
- HiKOKI公式 コードレスインパクトレンチ WR36DF
- HiKOKI公式 コードレスインパクトレンチ WR36DA
- HiKOKI公式 コードレスインパクトレンチ WR36DE
- HiKOKI公式 コードレスインパクトレンチ WR36DH
- HiKOKI公式 コードレスインパクトレンチ WR18DH
- いずれも2026年7月29日閲覧。価格は希望小売価格(消費税別)。
